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GU KENRYOU

cityscape

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本作は顧が「デジタルウィービング」と呼ぶ、複数の写真から1枚のイメージを生み出す手法によって制作された。画像編集ソフト上で、1ピクセル毎に削除と保留を何万回も繰り返し、その素材を重ねることでテキスタイルのようなイメージを生み出している。

京都に生まれ上海で育ち、京都で写真を学んだ顧は、これまで異なる4つの場所を重ね合わせることで実在しない風景を生み出す『Utopia(ユートピア)』というシリーズを制作してきた。顧はあるとき観光で東京スカイツリーに登った際に、展望台が風や音など視覚以外の感覚が断絶されていることに気づく。自分は本当に東京の風景を見ているのか、それとも高鮮明な画面を見ているだけなのか判断がつかなくなるという経験をし、都市における高層ビルの展望台を舞台にした本シリーズの着想を得たという。

本作は地上から218mの六本木ヒルズ森タワーの展望台から4つの方向に向かって撮影した4枚の写真を重ね合わせたものだ。本作の鑑賞者はブラウザを通して大きな1枚の画像、および細部を切り取った100枚の画像を鑑賞することができる。

顧剣亨
1994年京都生まれ、上海育ち。京都造形芸術大学現代美術・写真コース卒業。大学在学中にフランス・アルルの国立高等写真学校へ留学。現在、東京を拠点に活動中。都市空間における自身の身体感覚を基軸として、異なる時間・場所を接続し再構成する独自の制作手法によって、見えない情報的地層の断面を立ち上げている。主な個展に、『Utopia』(GALLERY WATER、東京、2018)、『Wu-Mai』(ワコールスタディホール京都ギャラリー、京都、2018)、主な賞歴に『sanwacompany Art Award / Art in The House 2019』グランプリ(2019)、『KG+ Award 2018』グランプリ(2018)がある。

kenryougu.com

© Kenryou Gu

2024/09/08
11:06:49 JST

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